「令和5年度 エイジフレンドリー補助金」で高年齢労働者の労働環境を改善!

エイジフレンドリー補助金

近年、60歳以上の高年齢労働者は増え続け、労働災害による死傷者数においても60歳以上が約30%を占めています。身体機能が低下している高年齢者は労働災害の発生率が高くなり、休業の長期化を招きやすくなっているのが現状です。

そんな中、厚生労働省は令和5年6月12日より、高年齢労働者の就業環境を整えるための「令和5年度エイジフレンドリー補助金」の申請受付を開始しました(10月末日まで)。

職場の労働環境を改善し、人材確保をより安定させたい中小企業事業者は、ぜひこの記事を参考にしてください。

尚、エイジフレンドリーとは「高年齢者の特性を考慮した」を意味する言葉で、WHOや欧米の労働安全衛生機関で使用されています。

エイジフレンドリー補助金は、高年齢者を含む労働者が安⼼して安全に働くことができるよう、中小企業事業者による高年齢労働者の労働災害防止対策やコラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に対して補助を行うものです(厚生労働省)。

尚、(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会が、補助事業の実施事業者(補助事業者)となり、中小企業事業者からの申請を受けて審査等を行い、補助金の交付決定と支払を実施します。

  • 補助金申請期間 令和5年6月12日~令和5年10月末日

「エイジフレンドリー補助金」は、中小企業の高年齢労働者の労働災害防止対策や、コラボヘルスなど、労働者の健康保持増進の取り組みを支援するものです。

なお本補助金では、下記の2つのコースが設けられています(表1)。

  • 高年齢労働者の労働災害防止コース
    高年齢労働者が安全に働けるよう、高年齢労働者にとって危険な場所や負担の大きい作業を解消する取り組み等を補助
  • コラボヘルスコース
    コラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取り組みを補助
     
    ※コラボヘルスとは、医療保険者と事業者の積極的な連携により、明確な役割分担と良好な職場環境を構築し、労働者の予防・健康づくりを効果的かつ効率的に進めることです。
表1:エイジフレンドリー補助金の概要
高年齢労働者の労働災害防止対策コースコラボヘルスコース
対象事業者(1)労災保険加入している
(2)中小企業事業者(※1)
(3)高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用し、対象の高年齢労働者が対策を実施する業務に就いている
(1)労災保険加入している
(2)中小企業事業者(※1)
(3)労働者を常時1名以上雇用している
※高年齢者労働者が事業場に所属していない場合も補助の対象です。
補助対象高年齢労働者にとって危険な場所や負担の大きい作業を解消する取組に要した経費(機器の購入・工事の施工等)コラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に要した経費
補助率1/23/4
上限額100万円(消費税を除く)30万円(消費税を除く)
注意事項※2コース併せての上限額は100万円です。
※2コース併せた申請の場合は、必ず2コース同時に申請してください。
(月を変えて別々の申請はできません)。
※この補助金は、事業場規模、高年齢労働者の雇用状況等を審査の上、交付を決定します。全ての申請者に交付されるものではありません。

※2コース併せての上限額は100万円です。
※2コース併せた申請の場合は、必ず2コース同時に申請してください。(月を変えて別々の申請はできません)。
※この補助金は、事業場規模、高年齢労働者の雇用状況等を審査の上、交付を決定します。全ての申請者に交付されるものではありません。

表2:(※1)中小企業事業者の範囲
業種常時使用する労働者数資本金又は出資の総額
小売業小売業、飲食店、持ち帰り配達飲食サービス業50人以下5,000万円以下
サービス業医療・福祉、宿泊業、娯楽業、教育・学習支援業、情報サービス業、物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業など100人以下5,000万円以下
卸売業卸売業100人以下1億円以下
その他の業種製造業、建設業、運輸業、農業、林業、漁業、金融業、保険業など300人以下3億円以下
※ 労働者数または資本金等のいずれか一方の条件を満たせば中小企業事業者となります。
※ 医療・福祉法人は原則資本金がありません。労働者の人数のみでの判断となります。

求められている背景

高齢化の進展に伴い、日本における社会・企業の人口構成が大きく変化しています。

以前までの人事制度が構造的な限界を迎えつつあるなか、働き方の多様化や、副業・兼業の解禁などの制度の変化もあり、新たな人事の構造を構築することが重要となっています。

新たな人材活用においては、今後さらに大きな層となる高年齢者層(シニア層)の活用が考えられています。さらに生涯現役社会の推進と合わさり、高齢者雇用に取り組む企業が増加すると考えられます。

企業における高齢者雇用のメリットには、シニア人材の豊富な知識・経験を活用できる、チームに多様性をもたらすことができる、人材確保のひとつの手段になる、といったことが挙げられます。

また、こうした高齢者人材を含む労働者が安心して働くことができる環境を整備することも重要です。

次からは、これらをデータで紹介していきます。

人口の推移、人口構造の変化

厚生労働省「我が国の人口について」によると、日本の人口は近年減少局面を迎えており、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると推計されています(図1)。

また、団塊の世代の方々が全て75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%となり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%となると推計されています(図2)。

諸外国と比較しても、日本における少子高齢化の動きは継続しており、今後も、人口の推移や人口構造の変化を注視していく必要があります。

日本の人口は減少しており、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると推計
図1:厚生労働省「日本人口の推移」

団塊のジュニア世代が65歳となる2040年には、65歳以上が全人口の35%となる。2070年には、人口は8,700万人にまで減少するが、一方65歳以上は全人口の39%となる。
図2:厚生労働省「日本の人口ピラミッドの変化」

健康寿命と平均寿命の差

令和5年版高齢者白書」によると、日本は平均寿命は世界一ですが、平均寿命と健康寿命の差(不健康寿命)は約10年となっています(図3)。
そのため、健康寿命を延伸させ、平均寿命との差を如何に小さくするかが重要となっています。

尚、健康寿命とは、健康上の問題で日常生活に制限のない期間としています。

高年齢者の就労と被災状況

雇用者全体に占める60歳以上の高年齢者の占める割合

総務省「労働力調査」によると、令和4年の雇用者全体に占める60歳以上の高年齢者の占める割合は18.4%となっています(図4)。

特に商業や保健衛生業をはじめとする第三次産業で増加しています。

年齢別死傷災害発生状況(休業4日以上)

厚生労働省「労働者死傷病報告」によると、令和4年の労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の高年齢者の占める割合は28.7%となっています(図5)。

年齢別・男女別の労働災害発生率

厚生労働省「労働者死傷病報告(令和4年)」および総務省「労働力調査(令和4年)」によると、60歳以上の男女別の労働災害発生率(千人率)を30代と比較すると、男性は約2倍、女性は約4倍となっています(図6)。

災害の発生率(千人率)では、若年層と高年齢労働者で高くなる傾向がみられます。中でも、転倒災害、墜落・転落災害の発生率が若年層に比べ高く、女性で顕著です。

年齢別の休業見込み期間の長さ

厚生労働省「労働者死傷病報告(令和4年)」によると、休業見込み期間は、年齢が上がるにしたがって長期間となっています(図7)。

高年齢労働者と企業側の意識

65歳を過ぎても勤めるために必要なこと

65 歳を過ぎても採用されるために必要なことは「健康・体力」が 66.8%と最も多い

労働政策研究・研修機構(JILPT)の「60代の雇用・生活調査 2015年7月」によると、65歳を過ぎても勤めるためには、「健康・体力」が必要であると考える高年齢者が66.8%に上った。次いで「仕事の専門知識・技能があること」と考える高年齢者は47.2%に上った(図8)。

図8:「60代の雇用・生活調査 2015年7月」労働政策研究・研修機構(JILPT)

高齢期を迎えた社員の体力等の問題に対する企業の配慮

高年齢労働者に対して、積極的に配慮している企業は31.6%と少ない

労働政策研究・研修機構(JILPT)の「60代の雇用・生活調査2020年3月」によると、雇用者に対して、高齢期を迎えた社員の体力等の問題について、会社側がどの程度配慮しているかを尋ねたところ、以下の順で多くなっています。

  1. 仕事の内容に関する個人的相談の場はあるが、体力や視力などの問題は個人的な問題として、特に配慮はしてもらえない(37.6%)
  2. 会社とは仕事の内容について個人的に相談・面接する場が定期的にあり、その際、作業上の問題なども相談できるので配慮してもらっている(31.6%)
  3. 仕事の内容に関する個人的相談の場は特にないが、契約の年度更新などの際に申し入れれば、職場で用いる文字の大きさや補助器具の購入、作業の速度などについては、見直して(または検討して)くれている (12.6%)
  4. 会社側は何も配慮(対応)してくれないので、必要な作業機器や什器などは自分で揃えている(6.9%)

エイジフレンドリーな職場づくりが必要

今までみてきたように、働く高年齢者が増加(60歳以上の雇用者数は過去10年間で1.5倍)しています。

そして、高年齢者は身体機能が低下すること等により、若年層に比べ労働災害の発生率が高く休業も長期化しやすいことが分かっています。

そのため、体力に自信がない人や仕事に慣れていない人を含めすべての働く人の労働災害防止を図るためにも、職場環境改善の取組が重要です。

その推進においては、厚生労働省から「エイジフレンドリーガイドライン(高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)」、中央労働災害防止協会から「エイジアクション100」がそれぞれ公表され、各事業者で活用することが期待されています。

高年齢労働者の労働災害防止コース

高年齢労働者(60歳以上)の労働災害の防止のための取組に要する費用を補助対象とします(図9)。

対象となる事業者

  1. 労災保険加入している
  2. 中小企業事業者
  3. 高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用し、対象の高年齢労働者が対策を実施する業務に就いている

補助対象

高年齢労働者にとって危険な場所や負担の大きい作業を解消する取組に要した経費(機器の購入・工事の施工等)

補助率・上限額

  • 補助率:1/2
  • 上限額:100万円(消費税を除きます)

対象経費

具体的には次のような1.~4.の対策が対象となります。

1.転倒・墜落災害防止対策

  • 作業床や通路のつまずき防止対策(作業床や通路の段差解消)(※法令違反状態の解消を図るものではないこと)
  • 作業床や通路の滑り防止対策(水場等への防滑性能の高い床材・グレーチング等の導入、凍結防止装置の導入)
  • 転倒時のけがのリスクを低減する設備・装備の導入
  • トラック荷台等の昇降設備の導入
  • 高所作業台の導入(自走式は含まず。床面から2m未満の物)
  • 階段への手すりの設置(※法令違反状態の解消を図るものではないこと)
  • 身体機能のチェックや運動指導の実施

2.重量物取扱いや介護作業における労働災害防止対策

  • 不自然な作業姿勢を解消するための作業台等の設置
  • 重量物搬送機器・リフト(乗用タイプは含まず)
  • 重筋作業を補助するパワーアシストスーツの導入
  • 介護における移乗介助の際の身体的負担を軽減する機器の導入
  • 介護における入浴介助の際の身体的負担を軽減する機器の導入
  • 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術(ノーリフトケア)の修得のための教育の実施
  • 重量物取扱いや介護作業における労働災害防止のための運動指導の実施

3.暑熱な環境による労働災害防止対策

  • 熱中症リスクの高い暑熱作業のある事業場における休憩施設の整備、送風機の設置
  • 体温を下げるための機能のある服の導入
  • 熱中症の初期症状等の体調の急変を把握できる小型携帯機器(ウェアラブルデバイス)による健康管理システムの導入

4.その他の高年齢労働者の労働災害防止対策

  • 業務用車両への踏み間違い防止装置の導入

※労働者個人ごとに費用が生じる対策(運動指導、体温を下げるための機能のある服、ウェアラブルデバイス、パワーアシストスーツ等)については、対策にかかわる高年齢労働者の人数分に限り補助対象とします。

対象経費についてもっと詳しく!

対象経費についてよくある質問について項目ごとに以下に纏めました。

詳細を知りたい項目のタブをクリックしてください。

転倒・墜落災害防止対策
  • 敷地内(屋外)に安全な通路を整備するための工事は補助対象外
  • 老朽化により通路に生じた穴や凹凸の解消のための工事は補助対象外
  • 床に配線がむき出しになっているため、床を嵩上げして配線を床下に収納する工事は、補助対象外
  • 滑り防止対策のための凍結防止装置は、労働者(自社の社員)が利用する通路(事業場敷地内に限る)における積雪や気象による 凍結を防止するための電熱マット等が対象
    ※通路以外の場所や、主として労働者 ではない顧客や施設利用者が利用する通路や凍結防止装置は対象外
  • 転倒時の怪我のリスクを低減する設備・装備は、労働者が万が一転倒してしまった場合にも、骨折等の怪我をしにくくする設備や装備が対象
  • 「トラック荷台等の昇降設備」は、高年齢労働者の身体機能の低下を補うためのトラック荷台へ昇降する際のステップやグリップが補助対象(テールゲートリフターは昇降設備でないので補助対象外)
  • 「高所作業台」は、2メートル未満の高い場所における作業を行うための、囲いや手すりが付属した昇降装置 を具備する作業台が対象(2メートル以上の高さにおける高所作業を行うための高所作業車等は補助対象外)
  • 身体機能のチェックや運動指導の実施」で対象となるものは以下の要件を満たすものが対象となります。
    1 転倒予防の知見を有する以下の専門家やその関係団体が策定しまたは認めたプログラムであること(確認できる資料を申請書に添付)。
    ・医師 ・理学療法士 ・健康運動指導士 ・転倒予防指導士 ・柔道整復師 ・アスレティックトレーナー
    2 実技指導があるもの(指導概要を実施計画書に記載してください。)。
    ※高齢労働者が対象のため高齢労働者が50%参加の研修・セミナー形式のプログラムの場合は50%が対象経費
重量物取扱いにおける労働災害防止対策
  • 重量物取扱いや介護作業における労働災害防止のための運動指導の実施」で対象となるもの
    1 重量物取扱い作業等による筋骨格系の負傷の予防に係る知見を有する以下の専門家やその関係団体が策定しまたは認めたプログラムであること(確認できる資料を申請書に添付)。
    ・医師 ・理学療法士 ・健康運動指導士 ・転倒予防指導士 ・柔道整復師 ・アスレティックトレーナー
    2 実技指導があるもの(指導概要を実施計画書に記載してください。)。
    ※高齢労働者が対象のため高齢労働者が50%参加の研修・セミナー形式のプログラムの場合は50%が対象経費
  • 「重量物搬送機器・リフト」として補助対象になるもの、ならないものは、高年齢労働者の身体機能の低下を補う機器が補助対象となります。労働者がその機器がないと業務ができないようなものは、補助対象となりません。
     〇 補助対象となるもの:ハンドリフト、チェーンブロック(ホイスト含む)
     × 補助対象とならないもの:クレーン(労働安全衛生法に規定するもので、つり上げ荷重 0.5トン以上のクレーン)、乗用フォークリフト、テールゲートリフター、自動車整備用リフト
介護作業における労働災害防止対策
  • 介護施設の中に設けられた居室の出入口に大きな段差があるため、床を下げてフラットにする工事を行う場合、労働者も出入りする部屋の段差解消であれば、補助対象
  • 介護施設等において、電動ベッドは対象外(介助者の腰痛防止効果は認められるものの、被介助者側の負担軽減、介護サービス向上が主目的と考えられるため)
    ※その他、電動昇降機能、電動背起こし機能つきベッド、褥瘡防止ベッド、マットやベッド 付属の見守り装置、体重測定装置等
  • 介護施設等において、車いすは原則として補助対象外(スライディングボードを使用する際に必要となる片ひじが外せるなど、高年齢労働者の身体的負担軽減に効果がある機能を有する車いすについては、補助対象となります。ただし、自走式の車いすは対象外 )
  • 介護施設における浴室での入浴介助作業においては、入浴用ストレッチャー、リフトやこれらに対応した浴槽、自動浴槽等が補助対象
  • 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術(ノーリフトケア)の修得のための教育の補助対象
    外部講師を活用した(オンライン可)研修で、研修参加費用、講師派遣費用及びテキスト代が対象となりますが、受講のための旅費は対象となりません。教育における講師の要件に定めはありませんが、メーカー等による単なる機器の使用法のみの教育は対象ではなく、ノーリフトによる職員の労働衛生管理が研修のカリキュラムに含まれていることが必要です。
  • 介護施設の中に設けられた居室の出入口に大きな段差があるため、床を下げてフラットにする工事は補助対象外(但し、労働者も出入りする部屋の段差解消であれば、補助対象)
熱中症予防対策等

  • 補助金の対象となる熱中症のリスクの高い暑熱作業のある事業場とは、労働安全衛生規則第587条に規定する作業環境測定を行うべき屋内作業場又は屋外の作業場がある事業場が対象
  • 補助金の対象となる休憩設備とは、暑熱な作業場の近隣にある壁などで仕切られた独立のスペースで、足を伸ばして横になれる広さが必要(恒常的に使える設備とし、移動や取り外しが容易なパーティションで仕切られたスペースは対象外)
  • 工場内の熱中症のリスクの高い暑熱な作業場において、休憩設備を整備する場合、休憩設備のエアコンの設置も含めて、補助対象。また、既に休憩設備が整備されている場合は、休憩設備のエアコンの設置のみでも補助対象
  • エアコンの更新は、熱中症のリスクの高い暑熱な作業場において、現に整備されている休憩設備のエアコンに限って対象
  • 熱中症のリスクが高い暑熱な作業場における休憩設備の整備が目的であり、作業場や事務室に設置するエアコンは対象外(但し、熱中症のリスクが高い暑熱な作業場への送風機(工場扇)の設置は対象)
  • ネッククーラーや保冷剤は対象外
  • 電動ファン付き作業服は、体温を下げる機能がある場合は補助対象となり、高年 齢労働者の人数分が限度
    ※同様にクールベスト等も体温を下げる機能がある場合は対象(水場での使用が推奨されないものは対象外)
  • 熱中症対策のため、事業所の屋根に遮熱性の高い塗料を塗布する場合は対象外
その他
  • 営業用車両への踏み間違い防止装置、自動ブレーキは自社名義車両への後付けが対象。ただし、新車購入時のオプション購入による取付、リース車は対象となりません
  • LED 照明への変更は、対象外(節電による経費削減目的と高年齢労働者のための設備改善目的との峻別が困難なため)
  • 新型コロナ感染防止対策に係る費用は対象外
  • 和式トイレを洋式トイレへ変更する費用は対象外

コラボヘルスコース

コラボヘルスとは、健康保険組合等の保険者と事業主が、それぞれの役割の責任を果たしながら連携し、従業員の健康づくりを推進する取り組みのことです(図10)。

事業者と保険者が積極的に連携して健康増進に向けて取り組むことで、より効果の高い健康づくりを行うことができ、さらに労働災害を防止し、生産性向上を実現できます。

対象となる事業者

  1. 労災保険加入している
  2. 中小企業事業者
  3. 労働者を常時1名以上雇用している

※高年齢者労働者が事業場に所属していない場合も補助の対象です。

補助対象

コラボヘルス等の労働者の健康保持増進のための取組に要した経費

補助率・上限額

  • 補助率:3/4
  • 上限額:30万円(消費税を除きます)

対象経費

★労働者の健康保持増進のための次の取組に要する費用を補助対象とします★

【事業主健診情報が保険者に提供されていることが補助の前提となります】

  • 健康診断結果等を踏まえた禁煙指導、メンタルヘルス対策、ハラスメント対策等の健康教育等(オンライン開催、eラーニングなども含む)
    ※産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等によるもの
  • 事業所カルテ・健康スコアリングレポートの活用等によるコラボヘルスを実施するための健康診断結果等を電磁的に保存及び管理を行うシステムの導入
  • 栄養・保健指導の実施などの労働者への健康保持増進措置(健康診断、歯科検診、体力チェックの費用は除く)

事業所カルテ・健康スコアリングレポートの活用について

  • 事業所カルテ・健康スコアリングレポートにより、各保険者の加入者の健康状態や医療費、予防・健康づくりへの取組状況等について、全体平均や業態平均と比較したデータの見える化が可能になります。
  • 従業員等の健康状況について、現状認識を踏まえた具体的アクションの検討にご活用ください。
  • 事業者から保険者に安衛法に基づく定期健康診断等の結果を提供することは、データヘルスやコラボヘルス等の推進により、労働者の健康保持増進につながります。保険者への健康診断結果の提供にご協力ください。

よくある質問

コラボヘルスコースに申請する上で注意点はありますか。

コラボヘルスコースでは、申請時において、事業者が労働安全衛生法に基づき実施した健康診断(事業主健診)の結果を保険者に提供している必要があります。

保険者へ事業主健診結果のデータを提供していることが確認できる書類は必要ですか。

必要です。保険者が発行する事業所カルテ・健康スコアリングレポート、受領書、健診結果を保険者に提供することについての健診機関への同意書・契約書、その他保険者へ事業主健診結果を提供していることを確認できる書類をご用意ください。
なお、保険者が事業所カルテ等を発行していない場合その他提出できない場合はその理由を提出してください。

保険者へ事業主健診結果を提供するのに要した費用は、補助の対象経費になりますか。

対象になります。ただし、本補助金の交付決定後に保険者へ事業主健診結果を提供するのに要した経費に限られ、対象となるのは、事業主健診結果の電子化を外部に発注した場合に受注者から請求される経費、健診機関を経由して保険者へ事業主健診結果を提供するために健診機関から請求される経費です。自社の人件費は含まれません。対象経費に該当するかどうかご不明な場合はお問合せください。

「健康診断結果等を踏まえた産業医、保健師、精神保健福祉士、公認心理師、労働衛生コンサルタント等による禁煙指導、メンタルヘルス対策、ハラスメント対策等の健康教育等(オンライン開催、eラーニングなども含む)」及び「栄養・保健指導の実施などの労働者への健康保持増進措置」について、どのように取り組めばよいですか。

まず、保険者が提供する全体平均や業態平均とデータを比較することによって自社の労働者の健康状態等を把握するための資料(一例として、事業所カルテや健康スコアリングレポート※があります。)を活用し、自社の健康課題を把握してください。もし、保険者がそうした資料を提供していない場合は、自社の健康課題について保険者からアドバイスを受ける等により、自社の健康課題を把握してください。その上で、自社において必要と考える事業を計画してください。
※ 事業所カルテ・健康スコアリングレポートとは、保険者が提供する全体平均や業態平均とデータを比較することによって自社の労働者の健康状態等を把握するための資料です。保険者によって名称は異なることもあります。

労働安全衛生法に基づく健康診断の実施に要した費用は、対象となりますか。

対象となりません。

申請方法

①補助金交付申請(中小企業事業者)
■事務センターHPから「申請関係書類」をダウンロードしてください
■「注意事項」「提出資料一覧チェック表」を確認の上、全ての書類を揃えて送付してください(※消印、発送日がわかる方法で送付してください)
②審査~交付決定通知書発行(事務センター)
■申請書類は毎月末に取りまとめ、翌月に全ての書類を審査します
■審査結果は、審査した月の月末から翌月初め頃、以下の方法でお知らせします
・交付を決定した案件⇒申請代表者宛に「交付決定通知書」等を郵送します
・不採択になった案件⇒申請担当者宛にメールにより通知します
③対策の実施・費用の支払い(中小企業事業者)
■交付決定通知書を受領したのち、対策を実施し、費用を支払ってください(交付決定通知書が到着したらできるだけ早く対策を実施すること)
※交付決定日以前の発注、購入、施工等は、補助金の支払いが認められません
④実績報告書及び精算払請求書提出(中小企業事業者)
■対策が終了し、費用の支払いが完了したのち「実績報告書及び精算払請求書」を含む必要書類を全て送付してください
※「交付決定通知書」郵送時に同封される「請求に必要な提出資料一覧表」を確認の上、全ての書類を揃えてください
⑤補助金の交付(事務センター)
■事業者より提出された「実績報告書及び精算払請求書」を確認の上、確定通知書を郵送し、補助金を指定口座へ振り込みます

申請に必要な書類

申請に必要となる書類は申請コース・対象となる経費により、異なりますが以下となります。

尚、提出の際には、申請書類の原本は控えとして必ず手元に保管して、写し(両面印刷はしない)を提出してください。また、社印・角印等の押印は不要で、送付の際、申請書類のファイリング、インデックスの貼り付けはしないようにします。

  • 交付申請書(様式1)
  • 誓約及び申立書(様式1-1)
  • 高年齢労働者名簿(様式1-2)
  • 対象経費内訳書(様式1-3)
  • 日本標準産業分類表
  • 労働保険申告書
  • 労働保険料領収書
  • 見積書(税抜表記、相見積りは不要)
  • カタログ(購入予定品の写真と型番のページをカラーコピー)
  • 写真(対策を実施する現場、また、現状の作業様子)
    ※作業様子の写真は、労働者が実際に現場で働いている様子を写す
  • 図面(対策を行う場所がわかるように印付け、色付け)
    ※設備、装置の設置場所に印をつける
  • 運動指導の実施プログラム(実技指導の計画含む)
    ※転倒予防、または腰痛等の知見を有する専門家が作成したプログラムであることがわかる資料を提出
  • 保険者への事業主健診結果データを提供していることが確認できる書類
  • 計画書(コラボヘルスコース)

申請期間

  • 令和5年6月12日~令和5年10月末日

交付決定額が予算額に達した場合、申請期間中であっても受付を締め切ることがあるので、注意が必要です。

申請書類提出先

〒105-0014 東京都港区芝1-4-10 トイヤビル5階

エイジフレンドリー補助金事務センター「申請担当」

最後に

現在、少子・高齢化の進展に伴って、企業・労働者において生涯現役社会の実現が求められており、高年齢労働者のこれまでに蓄積した知識や経験等を活かし、積極的に活躍できる機会を提供して、貴重な戦力として活用できるようにすることが必要な時代になっています。

このような中で、高年齢労働者の労働災害は、全体の約半数を占め、若年者に比べて発生率が高くなっているなど、高年齢労働者の労働災害の防止に向けての取組が喫緊の課題となっています。

具体的な対策の実施に当たっては、高年齢労働者の労働災害の発生には、加齢に伴う身体・精神機能の低下が影響を与えていることから、それによる労働災害発生リスクの低減の視点を踏まえて対策を進めていくことがポイントとなります。

また、高年齢労働者が、いきいきと働くことができ、その能力を最大限に発揮できるようにするためには、高年齢労働者が働きやすい職場環境の整備や働き方の見直しを行うという視点も重要です。

高年齢労働者の労働災害防止、労働者の健康保持増進のために、エイジフレンドリー補助金を是非ご活用ください。

また、弊社では、認定支援機関として公的支援制度を活用したコンサルティングや補助金・助成金申請サポートもおこなっているため、ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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