職場における「眼精疲労(目の疲れ)」の予防・対策

職場における眼精疲労(目の疲れ)の予防・対策

デジタル化が進む現代の職場では、多くの従業員がパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを長時間使用しています。
これに伴い、眼精疲労(目の疲れ)は、日常的に多くの人が直面する健康課題となっています。

眼精疲労は、目の乾燥やかすみ、頭痛、肩こりといった身体的な症状だけでなく、労働生産性の低下やプレゼンティーズム(従業員が健康問題を抱えつつも出勤しているが、業務効率が低下している状態)にも直結します。
また、職場環境や従業員の働き方が影響することから、企業にとってはこの問題を解決することが、従業員の健康と会社の持続的な成長にとって極めて重要です。

本記事では、眼精疲労の原因、影響、具体的な予防策や企業が取るべき対策について詳しく解説します。
特に、職場環境の改善やセルフケア方法、さらには企業ができるサポートについても触れ、眼精疲労の効果的な管理方法を提示します。

眼精疲労による職場への影響

眼精疲労の詳細について触れていく前に、眼精疲労を感じている人の数、頭痛があることで職場における仕事のパフォーマンスに与える影響について触れていきます。

眼精疲労の自覚症状

眼精疲労を抱える従業員は、目の疲れや乾燥、視界のぼやけ、頭痛、肩こり、首の痛みなど、さまざまな症状を訴えることがあります。
これらの症状は、一時的なものであることが多いですが、長時間にわたってデジタルデバイスを使用することによって、症状が悪化し、慢性化する可能性もあります。

厚生労働省の令和4年国民生活基礎調査では、病気・けがなどで自覚症状がある人の割合(有訴者率)で眼精疲労と考えられる「目のかすみ」が総数で4位(43.4)、女性4位(49.8)、男性は7位(36.6)「物を見づらい」が総数で6位(36.8)、男性11位(30.2)、女性9位(39.8)となっており、やや女性に多い傾向があります。

図1は男女それぞれの1~5位、表1は総数・男女それぞれの20位までを示しています。

自覚症状がある人の割合(有訴者率)-男女ともに腰痛が1位-肩こりが2位
図1:性別にみた有訴者率の上位5症状(2022年 国民生活基礎調査の概況 厚生労働省
表1:有訴者率(人口千対)「2022年 国民生活基礎調(厚生労働省)
総数男性女性
1位腰痛:102.1腰痛:91.6腰痛:111.9
2位肩こり:80.3肩こり:53.3肩こり:105.4
3位手足の関節が痛む:55.8頻尿(尿の出る回数が多い):45.6手足の関節が痛む:69.8
4位目のかすみ:43.4手足の関節が痛む:40.7目のかすみ:49.8
5位頻尿(尿の出る回数が多い):38.8鼻がつまる・鼻汁が出る:37.8頭痛:46.8
6位物を見づらい:36.8せきやたんが出る:36.8便秘:43.7
7位体がだるい:36.7目のかすみ:36.6足のむくみやだるさ:43.2
8位手足のしびれ:36かゆみ(湿疹・水虫など):35.4体がだるい:41.7
9位鼻がつまる・鼻汁が出る:35.9手足のしびれ:33.1物を見づらい:41.3
10位便秘:35.9聞こえにくい:33手足のしびれ:38.7
11位聞こえにくい:35.2物を見づらい:32もの忘れする:38.2
12位かゆみ(湿疹・水虫など):34.9体がだるい:31.3聞こえにくい:37.2
13位もの忘れする:33.5耳なりがする:29.3手足の動きが悪い:37.1
14位頭痛:33.2もの忘れする:28.4眠れない:35.2
15位せきやたんが出る:32.9便秘:27.5かゆみ(湿疹・水虫など):34.4
16位手足の動きが悪い:32手足の動きが悪い:26.6鼻がつまる・鼻汁が出る:34.1
17位耳なりがする:31.4眠れない:23.5耳なりがする:33.3
18位足のむくみやだるさ:31.2息切れ:20.5手足が冷える:32.6
19位眠れない:29.6頭痛:18.5頻尿(尿の出る回数が多い):32.4
20位手足が冷える:24.1足のむくみやだるさ:18.4せきやたんが出る:29.3

労働生産性(プレゼンティーズム)の低下

眼精疲労は、従業員のパフォーマンスに直接影響を与えます。目の疲れが原因で集中力が低下し、ミスや業務効率の低下が頻発するようになります。

これにより、業務の質が下がり、企業全体の生産性が悪化することがあります。
また、プレゼンティーズムが長期化すると、チーム全体のモチベーションや士気にも悪影響を与えることになります。

労働生産性(プレゼンティーズム)の低下

2018年に発表された国内の労働者の生産性を低下させる原因を調査した結果では、労働生産性低下による一人あたりの年間損失額は第1位が「肩こり」、第2位が「睡眠不足」、第3位が「腰痛」、第4位が「眼精疲労となっています。

眼精疲労で労働者1人あたりの年間損失額は約27,000円のため、従業員100人の会社では年間270万円の損失額であるといえます。

尚、ここでいう労働生産性(プレゼンティーズム)の低下とは、会社に出勤はしているが、心身の不調によりパフォーマンスが上がらない状態によること。

※調査時の2014年の平均為替レートで1米ドルは105.9448円で換算して算出

経済的損失と企業イメージへの影響

眼精疲労を抱える従業員が増加することで、企業は経済的損失を被ることになります。

プレゼンティーズムによる生産性低下だけでなく、従業員の休職や退職によるコストも大きな問題です。
また、従業員の健康管理が不十分であると、企業のイメージに悪影響を及ぼし、採用力や社員定着率にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

企業の生産性を防ぐために必要となる「プレゼンティーズム」「アブセンティーズム」について詳しくは以下の記事をご覧ください。

眼精疲労(目の疲れ)とは

眼精疲労による目の疲れー痛み

主な症状

眼精疲労は、目の乾燥やかすみ、ピントが合わない、頭痛、肩こり、首の痛みなどを引き起こします。

長時間のデジタルデバイス使用が原因となるケースが多く、これらの症状は日常的に現れることがあります。特に目の乾燥やぼやけは、デジタル機器のスクリーンを長時間見ることで、まばたきの回数が減少し、目の潤いが不足することが原因です。

尚、「眼精疲労」は目以外の全身にも影響を及ぼし休息や睡眠をとっても回復しませんが、「疲れ目」の症状の多くは目のみに現れ、睡眠等で回復することがほとんどです。

  • 目の症状
    目が重い、痛い、まぶしい、かすむ、乾く、充血する、まぶたが痙攣する、まばたきが多くなる、者が見えにくくなった など。
  • 体の症状
    倦怠感や疲労感、寝ても疲れがとれない、頭痛、吐き気、食欲低下、首・肩こり など。
  • 心の症状
    目や体の不調がストレス、イライラ感、不眠、気分の落ち込み など。

疲れ目と眼精疲労、VDT症候群の違い

  • 疲れ目
    目の酷使によって一時的に目の痛みやかすみ、充血などの症状とともなうが、休息や睡眠をとると自然に回復するようなもの
  • 眼精疲労
    目の症状(痛み、充血)のほか、頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状をともなうこともあり、休息や睡眠では回復しにくいもの
  • VDT症候群
    VDTとは「Visual Display Terminal」の略で、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのディスプレイを長時間使用することで、それにより眼精疲労のような症状を引き起こすこと

職場における「情報機器(VDT)作業」の予防・対策について詳しくは以下の記事をご覧ください。

原因

1.作業環境の問題

● デジタル機器の長時間使用

パソコンやスマートフォンのスクリーンを長時間見続けると、目の調節機能が酷使され、目が疲れやすくなります。
特に、ブルーライトの影響は大きく、目に負担がかかりやすくなります。

● 不適切な照明

職場の照明が明るすぎる、あるいは暗すぎる場合、目に大きな負担がかかります。
また、画面に照明が反射する場合も、目の疲れが増幅されます。

● 不適切な姿勢

不適切な姿勢での作業も、眼精疲労の原因となります。
例えば、パソコン画面と目の距離が近すぎる、あるいは姿勢が悪く、首や肩に負担がかかることが多いです。
姿勢の悪さは、全体の体の疲れを引き起こし、結果的に眼精疲労を悪化させます。

● 乾燥

エアコンや扇風機など風が直接目にあたり、涙を蒸発させ、乾燥してしまいます。

2.目の異常や病気

近遠視、乱視、老眼などある中で、無理をして目を使ったり、度の合わない眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、毛様体筋を酷使してしまいます。

ドライアイでは、涙の量が少なくなったり、涙の流れが悪くなったりして目が乾くと、目の表面を保護する涙の層が均等でなくなり、ものがはっきり見えにくくなります。

白内障・緑内障など眼の病気でものが見にくくなると、眼精疲労が起きることがあります。

3.身体の病気の影響

糖尿病や高血圧症、虫歯 や歯周病などの身体の病気からも目の不調を感じることがあります。

4.精神的な問題

精神的なストレスも眼精疲労に影響します。
ストレスがたまると、目や体全体が緊張状態になり、目の疲れが増大します。

目の構造と眼精疲労

物を見るときにピントを合わせる役割をしている目の筋肉である毛様体筋は、カメラのレンズのような働きをする「水晶体」の厚みを調節しています。

人間は遠くを見るときは毛様体筋を緩めて水晶体を薄くし、近くを見るときは毛様体筋を緊張(収縮)させて水晶体を厚くし、ピントを合わせています。

毛様体筋と目の疲れー眼精疲労
図3:毛様体筋の役割
  1. 毛様体筋は物を見る毎にピントを合わせようとして縮んだり伸びたりを繰り返す
  2. 長時間のVDT作業などでパソコンの画面を近くで見つづけると、毛様体筋はずっと緊張しているので「こり」をおこす
  3. この姿勢や状況が長時間続くことで「眼精疲労」の症状が発生する
毛様体筋の緊張と眼精疲労
図4:眼精疲労のメカニズム

眼精疲労のリスク要因

特に以下の従業員は、眼精疲労のリスクが高いとされています。

  • 長時間にわたるデジタルデバイスの使用が必要な業務を担当している
  • パソコンと向き合う時間が長く、適切な休憩が取れていない
  • 画面が小さいデバイスを多く使用する
  • 加齢による目の調節力の低下がある

これらの従業員に対しては、特に注意を払う必要があります。

眼精疲労(目の疲れ)のセルフチェック

従業員が自身の眼精疲労の状態を把握することは、早期の対策につながります。

以下のセルフチェック項目を活用することで、自分の目の疲労度を確認できます。

□ 頻繁に目がかすむことがある

□ 1日8時間以上画面に向き合っている

□ 最近、頭痛や肩こりが頻発している

□ 最近よく目の疲れを感じるようになった

□ まばたきの回数が減っていると感じる

□ 目のかわきを感じることが多くなった

□ 目が重たい感じがする

□ 目やにが出る

□ なんとなく目に不快感がある

□ 目がゴロゴロする

□ 目が充血しやすい

□ 涙がよく出るようになった

□ 光をまぶしく感じやすい

□ まぶたが重く感じることが多い

□ まぶたが時々けいれんする

関連する症状・病気

眼精疲労を引き起こす関連症状や病気には、以下のようなものがあります。

大きな病気の症状の1つとして発症する場合があるため、できるだけ放置せず医療機関で検査を受けましょう。

  • ドライアイ
    涙の分泌が減少して目が乾燥し、目の表面が傷つきやすくなる病気です。
    加齢や長時間のパソコン作業、室内の乾燥、コンタクトレンズの使用など、様々な要因で発症します。
    放置すると角膜や結膜が損傷し、視力の低下につながる可能性があります。
  • 緑内障
    視神経に障害が生じて視野が狭くなる病気です。
    多くの場合、自覚症状がなく進行しますが、重症化すると失明の危険があります。
    特に眼圧が高いと発症しやすく、眼圧が上がると頭痛を伴うこともあります。
  • 白内障
    本来透明である水晶体が白く濁る病気で、視力低下やまぶしさを感じることが特徴です。
    日常生活に支障をきたす場合は手術が必要となりますが、術後に見え方が変わることがあり、眼精疲労を引き起こすこともあります。
  • 斜視・斜位
    両目の視線が一致せず、左右別々の方角を向いてしまう状態を斜視といいます。
    斜位は、視線を合わせる対象がない場合に左右の眼が別々の方角を向いてしまう状態です。
    どちらも視線を合わせる努力を強いられるため、眼精疲労を引き起こします。
  • 眼瞼下垂
    まぶたが垂れ下がる病気で、視野の上部が見えづらくなるため、物を見る際に頭を後ろに反らす必要があります。
    この動作が眼精疲労の原因となります。
  • 加齢黄斑変性
    加齢により網膜の中心部にある黄斑に異常が生じ、初期段階では物の中心部が暗く見えたり、ゆがんで見えたりします。
    病気が進行すると、見えにくい範囲が広がり、視力も低下していきます。
  • 糖尿病網膜症
    糖尿病の合併症として発症する病気で、目の毛細血管に異常が生じます。
    自覚症状がないまま進行することが多く、「目が疲れる」「目が重い」といった症状がある場合は、糖尿病網膜症の可能性があります。

「ドライアイ」は眼精疲労のもと

「ドライアイ」は、目の表面が乾燥することによって引き起こされる慢性疾患で、眼精疲労の主な原因の一つです。

通常、私たちは1分間に10~20回のまばたきをして涙を分泌し、目を保護しています。
しかし、パソコン作業などのVDT作業ではまばたきの回数が減少し、涙の量が減ることで目が乾燥しやすくなります

涙は目の表面を潤し、栄養を与えたり、細菌やゴミの侵入を防ぐなどの重要な役割を担っていますが、ドライアイではこの機能が低下し、目の乾燥や疲れ、不快感を感じやすくなります。
進行すると、視力の低下や角膜が傷つくこともあります。

特に、オフィスワーカーではドライアイの発症率が高く、自覚しにくいことから、眼精疲労に繋がるケースが増加しています。

眼精疲労(目の疲れ)の予防・対策と治療

眼科で眼精疲労の検査-治療

予防・対策

職場環境の改善

眼精疲労の予防・対策は、職場における作業環境管理と作業管理が重要です(表2)。

また、職場におけるパソコン作業(VDT作業)に適した姿勢は眼精疲労のみならず肩こり・腰痛などの予防にも有効です(図5)。

表2:作業環境管理と作業管理
作業環境・室内の明暗の差を少なくし、まぶしさを感じないようにする
・窓からディスプレイに光が映り込まないようにブラインドやカーテンをする
・ディスプレイ画面上の照度を500ルクス以下に設定する
・書類上やキーボード上の照度を300 ルクス以上に保つ
 ※キーボードや書類等のディスプレイ周辺の明るさとの差を減らすよう、照明を調整
・エアコンの風に直接当たらないようにする
・湿度は40%~60%を保つ
・室温は、夏は25~28℃、冬は18~22℃程度に保つ
作業時間・VDT機器を使った作業は連続1時間以内とし、1時間ごとに10~15分の休憩を挟む
・休憩中はスマホなどVDT機器の使用を控える
・テレワークにおいては、20分毎に20秒間小休止を取り20フィート(約6m)先を見る「20-20-20 ルール」を実践
作業姿勢・画面と眼の距離は40cm以上離す
画面の上端が眼の高さとほぼ同じか少し下になるようにして、ディスプレイの配置、デスク、椅子の高さを調節する
・傾きを調整できる背もたれに背を充分に当てて椅子と大腿部膝側側面の間に手指が入るほどのゆとりを設け、大腿部に無理な圧力が加わらないように、椅子に深く腰掛ける
肘の角度は90度以上にして、腕を肘掛けに置いたり、マウス操作の際は手首を固定するための台などを使用する
足元のスペースを確保して、足の裏全体が床に接するように、必要に応じて充分な広さで滑りにくい足台を用意する
適切なVDT機器・パソコンやスマホの画面の背景色を刺激の少ない黒やグレーに変える
・輝度やコントラストが調整できるものを使う
・パソコンのフォントサイズを無理なく見ることのできる大きさに変える
作業距離に合わせた度数のめがねやコンタクトレンズを使用する
・ブルーライトをカットするフィルターや眼鏡を使う
職場でのパソコン作業(VDT作業)に適した姿勢とオフィス環境
図5:職場におけるパソコン作業(VDT作業)に適した姿勢とオフィス環境

デジタルデバイスの使い方改善

20-20-20ルールを実施し、20分ごとに20秒ほど20フィート(約6メートル)離れた場所を見ることで、目の調整機能をリセットできます。

また、画面の明るさやコントラストを調整し、目の負担を減らすことも有効です。

20-20-20 ルールでVDT作業や眼精疲労を改善
図6:20-20-20 ルール

職場や自宅でできる眼精疲労の予防・対策

神経や血管が密集するツボや筋肉を緩めることで、 血流が促進され、目の疲れ解消効果が期待できます。

適切な休憩と、定期的に目の周りのストレスを行う必要があるため、ここでは職場や自宅で簡単にできるものを紹介していきます。

1.目を温める
眼精疲労の予防-蒸しタオルで目を温める
図7:蒸しタオルで目を温める

目を温めることは、眼精疲労の緩和に効果的です。 温かいタオルやアイマスクを使って目の周りをじんわり温めることで、血行が促進され、疲れた目がリラックスします。
特に、長時間のパソコン作業後にはドライアイの予防にも役立ちます。

目を温めると、涙の油分を分泌するマイボーム腺がしっかりと機能し、目の潤いを保つことができます
また、まぶたに温かいシャワーを数分間当てることも血行促進につながり、目の疲れを軽減します。

定期的に目を温めることで、眼精疲労が軽減され、視界も快適に保たれます。

2.目の体操

目の疲れには、眼球を動かす目の体操も効果的です。
「目のストレッチ」と意識して、筋肉がかたまらないように定期的に動かしてほぐしましょう。

➀ グルグル体操

グルグル体操は、緊張状態にある毛様体筋や眼球に付随している筋肉群を動かすことで、「こり」をほぐし、目の疲れ解消効果が期待できます。

眼精疲労の予防-グルグル体操
図8:グルグル体操
  • 目を閉じながら眼球を上下に動かす。(5往復)
  • 目を閉じながら眼球を左右に動かす。(5往復)
  • 目を閉じながらゆっくりと眼球をぐるぐる回す。 (右回り・左回り3周ずつ)

➁ まばたき体操

目をぎゅっとつぶったり、大きく開けたりすることで、まばたきをする筋肉(眼輪筋)やその他目のまわりの筋肉を伸び縮みさせて血行を良くします。
また、目の表面に涙が行き渡り、目がうるおうことで目の負担を軽減させることができます。

また、まばたきの回数を意識して増やすことも目のうるおいが増すため有効です。

眼精疲労の予防-まばたき体操
図9:まばたき体操
  • 目をギューっと閉じる。(5秒)
  • パッと目を開く

➂ 遠近ストレッチ

毛様体筋を伸び縮みさせて血行を良くします。

眼精疲労の予防体操-遠近ストレッチ
図10:遠近ストレッチ
  • 腕をまっすぐ伸ばし親指を立てる
  • 3m先に対象物を決める
  • 親指と3m先の対象物を交互に1秒ずつ見る(30回繰り返す)
3.ツボ・マッサージ

職場(オフィス)や自宅でも簡単にできるような、眼精疲労(疲れ目)に効く代表的なツボをご紹介していきます。

ツボの刺激方法は、以下の方法から、部位に合わせてやりやすい方法をで、押す、こする、揉む(ツボを押しながら、回して動かす)、叩く、温める、などをします。

また、痛ければ良いわけではないので、心地良いと感じる刺激量から始めてみましょう

  • 親指]または[人差指・中指・小指の3本の指]を使う。
  • 握りこぶしを作って、[中指の関節
  • 握りこぶし]または[手の平の側面]
  • [手の平]
  • [ツボ押し棒などのマッサージグッズ]
セルフマッサージ-自分でツボ押し-やり方や方法
図11:自分でツボ押しする際の指の使い方

ツボ刺激のポイント!

  • 強さ:押してイタ気持ちいい程度の強さで、強く押しすぎないようにします。
  • 呼吸:息を吐きながら押して、息を吸いながら押す力を緩めると効果的です。
  • 時間:1つのツボで1分程度。
目の周りのツボ

  • 晴明(せいめい): 鼻の根元と目頭の内側中央のくぼみ
  • 攅竹(さんちく):眉毛の内側にある浅いくぼみ
  • 太陽(たいよう):まつ毛の外側と目尻の中間から、親指1本分の外後方のやや陥凹している部位
  • 瞳子髎(どうしりょう):目尻から親指の幅半分(人差し指1本分)外側のくぼみ
  • 魚腰(ぎょよう):瞳孔の真上で眉毛の真ん中あたりにあるくぼみ
  • 絲竹空(しちくくう):眉毛の末端の縁
  • 承泣(しょうきゅう):瞳孔の真下、眼窩の骨の縁の上
  • 四白(四白):真っすぐ前を見た際の、瞳孔から親指1本分下の部位

※眼球は押さないように注意してください。

4.眼の簡単ストレッチ
  • モニター画面の四隅を目線で追う。
5.完全な暗闇を作る
  • 手のひらで目を覆って(眼球を圧迫しないよう注意しながら)暗闇を作り、ゆっくり20まで数え、目を休めましょう。

就寝前のスマートフォンの利用に注意

パソコンやスマートフォン、LEDライトなどからでるブルーライトの刺激を夜に浴びると、脳が昼と判断して、体内時計に作用して睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されて眠れなくなるという影響も報告されています。

就寝前はスマートフォンの使用は控えましょう。

企業ができるサポート

企業による従業員向けの健康セミナー

企業側での取り組みも重要です。

従業員の健康をサポートするために、「目の健康」や「職場でできる目の体操・ツボ押し」「情報機器(VDT)作業における正しい姿勢」に関するセミナーを開催したり、リラックススペースやデジタルデバイス使用のガイドラインを設けるなどの対策を講じることが求められます。


貴社の「健康経営・安全衛生」に対応した各種研修・セミナー

弊社では、職場の健康課題に合わせ、「オフィスにおける健康リテラシー向上」のための各種研修・セミナーを実施しております。

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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● 測定・検査
● ライフスタイル
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治療方法

1.眼科での治療

眼精疲労が慢性化した場合、眼科での診察が必要です。眼科では、正確な視力や眼鏡・コンタクトレンズの度数を確認し、目の不調に対する適切な治療を行います。以下は、主な治療方法です。

  • 眼鏡・コンタクトレンズの処方・調整
    長時間の使用や正確な視力検査を行っていない場合、現在の度数が合っていない可能性があります。眼科で正しい度数を調整し、必要であれば新しい眼鏡やコンタクトを作り直します。特に、老眼が始まる40歳以降は、度数の調整が重要です。
  • 点眼治療
    眼精疲労に対しては、ピントを合わせる筋肉をリラックスさせる目薬や、疲労の蓄積を防ぐ目薬が処方されます。これにより、目の疲れを軽減し、視力の安定化を図ります。
    ドライアイに対しては、目の乾燥を防ぐため、涙の油分を分泌するマイボーム腺の機能をサポートする目薬が処方されます。これにより、目の潤いを保ち、ドライアイによる眼精疲労を防ぎます。
  • 隠れた病気の検査・治療
    眼精疲労が続く場合、緑内障や白内障といった目の病気が原因であることもあります。眼科では、これらの病気の検査も行い、適切な治療を提供します。
  • 生活習慣の見直し
    特にVDT作業(パソコン作業)が多い現代では、目を酷使する環境が眼精疲労の原因になります。眼精疲労が長期間続く場合は、生活習慣や仕事環境の改善も検討されます。


眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合は、度数が適切かどうかを定期的に眼科でチェックし、眼精疲労の予防を心がけましょう。

2.鍼灸・マッサージによる施術

顔の鍼治療-眼精疲労-美容鍼

統合医療(代替医療、東洋医学)に含まれる「鍼灸(しんきゅう/はりきゅう)」や「マッサージ」は、血流を改善して自律神経を整える作用があり、眼精疲労の解消や首肩凝りの解消に効果が期待できます。

特に、「鍼灸」はWHO(世界保健機関)において眼精疲労が鍼灸治療の適応疾患となっているため、効果的であるといえます。

鍼灸(はりきゅう)およびマッサージの効果

詳しくは以下のリンクよりご確認ください。

出張施術(マッサージ・はりきゅう)

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3.ストレスマネジメント

ストレスは眼精疲労を悪化させる要因の一つであり、ストレスマネジメントが重要です。

眼精疲労は、日常生活や仕事のストレスが原因となる場合があります。心の不安や疲労は睡眠の質にも影響し、目を閉じる時間が減ることで目に負担がかかります。そのため、規則正しい生活習慣を保ち、ストレスケアを意識して行うことが大切です。

ストレスの原因は人間関係や環境要因、身体的な不快感、薬の影響、感染症などさまざまです。心身のリラックスだけでなく、ストレスを感じにくい環境を整える工夫も必要です。

運動や息抜きなど、ストレスをためない生活を心がけることが、眼精疲労の予防に役立ちます。さらに、漢方や瞑想、ヨガ、アーユルヴェーダ、アロマセラピー、リフレクソロジーなども、心身をリフレッシュすることはストレス軽減に役立つ手段として有効です。

最後に

眼精疲労は、多くの職場で従業員が直面する健康問題です。

しかし、適切な対策を取ることで、その影響を軽減し、従業員の健康を守ることができます。

企業としても、職場環境の整備や従業員のセルフケアサポートを通じて、眼精疲労を未然に防ぐことが可能です。

本記事で紹介した予防策や治療法を実践し、眼精疲労による生産性の低下や従業員の健康リスクを軽減しましょう。

従業員が健やかに働くことが、企業の持続的な成長にもつながるのです。企業は、従業員の健康を守るために積極的なサポートを行いましょう。


弊社では、企業向けの支援として「健康経営コンサルティング」「”健康経営優良法人”認定取得サポート」「補助金・助成金申請サポート」、従業員向けの支援として「出張はりきゅうマッサージ」「カウンセリングサービス(メンタルヘルスケア)」「キャリアコンサルティング(キャリア形成支援・能力開発)」「各種研修・セミナー」をおこない、オフィスでの健康的な働き方を支援しております。

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